軟性内視鏡検査とは?

軟性内視鏡検査は、先端に小型カメラがついた細くて柔らかいチューブ状の内視鏡を使い、動物の体内(気道・消化管・鼻腔など)を直接観察する検査です。
体への負担が少なく、麻酔下で安全に実施されることが多いため、繊細な部位の観察や処置に広く用いられています。

他の検査との違い・優れている点

比較項目軟性内視鏡検査の特長
X線検査との違い形だけでなく、粘膜の色や動きなど「質」の情報も観察可能
超音波との違い空気や骨で見えない領域(肺・消化管内など)も観察可能
硬性内視鏡との違い曲がる構造により、細く長い部位や複雑な形状にも対応可能

よく使われるケース・症例

軟性内視鏡は、以下のような検査や処置に特によく使われます。

● 呼吸器(鼻・喉・気管・気管支など)

  • 慢性的なくしゃみ・鼻水、鼻出血の原因調査
  • 咳が続く場合の気管・気管支内の確認
  • 異物の誤飲や吸引(草の種、骨片など)の除去

● 消化器(食道・胃・小腸・大腸)

  • 嘔吐や吐血、黒色便などの原因精査
  • 異物誤飲(おもちゃ、紐など)の確認と除去
  • 胃や腸の腫瘍・炎症の診断、生検(組織検査)

● その他の器官

生殖器・泌尿器や耳道など、他部位への応用も可能な場合があります

検査と一緒にできること

軟性内視鏡には、鉗子(かんし)やブラシなどの専用器具を通すことができ、観察と同時に以下のような処置も可能です。

  • 組織の一部を採取(生検)
  • 異物を取り出す
  • 分泌物の採取・洗浄
  • 出血部位の確認 など

これにより、侵襲を最小限にしながら診断や治療が可能になります。

まとめ

軟性内視鏡検査は、X線や超音波だけではわからない「体の中の様子」を、直接・詳細に見ることができる非常に有用な検査です。
異物の誤飲や慢性症状の原因が分からないとき、組織の検査が必要なときなど、より正確な診断・適切な治療方針を立てるための選択肢として、動物医療でも広く活用されています。
ご検討の際は、お気軽に当院スタッフまでご相談ください。