つくばみのぷう動物病院

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【雑記】おプライドという名のゴミを抱いて本質を失わせがちな獣医さんのお話

みのる落書き_34

えーとね…もう春なんだからさわやかに「桜がうふふ…」みたいな日記を書いた方がいいのはわかってるんですよ!

わかってるんですが、ちょっとあまりに馬鹿な話があったので
自分の身を守るためにも日記にしちゃいます。
ああ、大丈夫です病院名までは書きませんから。

 

去年の10月から当院に通っている猫ちゃん。
5年前にかゆみを伴う脱毛性皮膚病という事で通院されているのですが、
飼い主さんの話では去勢手術してからこうなったとの事。

うーん…こういうのって繊細な問題なんですよね。

皮膚病は人間と同じでとっても繊細です。
そして、アレルギーやアトピー(ここを犬猫と人の…とか語り出したら長いので書きませんが)
そしてステロイドとか…
根治の可能性とか…
とにもかくにも繊細で繊細で仕方が無い病気です。

そんな中、時期が飼い主さんから明瞭に出ている
そしてその時期に動物病院が関わっている

これは本当に繊細な問題です。

 

だって、どうみても飼い主は「病院で手術したからおかしくなった」って思うじゃないですか。
トラブルの種ってやつです。
なので、これは獣医師としては事実の確認をしないといけません。

ちなみに手術糸が原因でアレルギー反応が出るというのは
今では獣医さんの間では有名です(と私は思っていた)。

「手術糸」「アレルギー」で検索して一番上に出てくるエル動物病院様のサイト
http://homepage3.nifty.com/elfaro/information/suture.htm

まあ、この話をするつもりはないので割愛しますが

手術時にどんな糸を使ったのか?
これは手術した病院には確認しなくてはなりません。

これはとても重要です。
だって、原因追究に必要ですもの。
糸に疑いがあればその糸を取ればよい事ですし、
糸に疑いが無ければ別の選択肢を取っていくだけです。
何より飼い主さんの最短の解決には必要な事です。

 

そして当然の事ながら、獣医師というのは治療に対しての説明責任がありますから
獣医療行為については説明、場合によってカルテの開示は義務事項です。
まあ、私の字は汚いので…アレですが…(笑)
という事で、こういう場合はその病院に
「どの糸を使ったのか?」「何に使ったのか?」
を聞くわけです。
これは良くある事です。
別につるんでいるわけでもなく、獣医師にとって怖いのは風評被害です。

うちは急患もやっている関係で飼い主さんからそういう話を良く聞いてしまいます。

「うちのかかりつけでこんな事があって最悪だった!」

 

「よっしゃ!うちの患者になったら患者ゲットでお金ゲットだぜ!」
違いますねえ。
それ違いますねえ。

だって飼い主さんが間違ってるんですもん。
無実の罪ははらしておかないと駄目です。
獣医療は「ひと医療」ですから、そういう「モンスター飼い主」を産まないようにする事も獣医師のつとめです。
「いや、その状況でそれは一般的な判断だと思うでー。」
「その診断とこの治療があったから今こんなんやってわかったんやでー。」
「うーん、気持ちはわかるけど獣医療的には仕方ないレベルやと思う。自分もやってまうかもしれんしなー。」
みたいな感じです。
あくまで獣医に罪が無かった場合です。

今回で言うと、糸の反応性アレルギーとかは、

「飼い主さんの気持ちはわかるけど、昔はそれで普通にオペしてるもんだったし…悪いと言われるのはなあ…。」

というのが個人的な意見です。
沢山の責任と治療を行っている無知と切り捨てられると獣医さんは死んでしまいます。
知らない事は覚えて次に活かせばいいんです。
なのにですよ!

 

なのにですよ!

 

はいここから本題。

長いよ!みのぷう先生長いよ!
ごめん。
ってことで、その手術をした病院に電話で確認をしました。

「以前オペされた猫ちゃんの事で質問がー」
「糸の製品名教えてくださいー」
「どこを縫われましたか?」

はい、普通の質問です。
獣医師ならば普通に答えるべき事です。

 

 

なのに…
キレられました。

 

「なんでそんな事を聞いてくるんだ!」
→いや、それが原因かを知らないと駄目じゃん。知らなくてそれを確認するには麻酔かけて手術しないといけないんですが…。

「糸が原因で皮膚を痒がるエビデンスなど聞いた事がない!」
→あ、そっすか。別にそんなのいいんで教えてくれたらOK。

「他の原因を潰してから!」
→普通に潰してるし、その一つを潰す為に電話してるんですが?

「こんな事は文書で聞け!」
→なんで電話で答えれば済む話を文書で?元・飼い主さんの治療に協力する気ないの?金にならない仔は切り捨て?
そして、こっちの質問に答えればいいだけなのに、
噛みついてきた挙句に

「病院名はなんだ?ネットで調べてやる!」
→はあ…。インターネッツこわいですね。お好きにどうぞ。何か書くんですか?

「君は何歳だ!歳上に失礼だろ!」
→え?何これ?これ俺が歳上だったらどうするの?

「大学はどこだ?」
→Googleで調べればええやん…。ってかこれって何か圧力的なアレですか?
そしてこれが極めつけ

「なんだ!こちらのやってることを疑うような!」

 

もう勘弁してください。
私は金を貰って治療をしています。
金を貰っている以上は、飼い主に責任が発生しています。
原因に介在しているもの全てを疑うのが責任でしょ。
そもそも、自分の手技に自信があったり、ちゃんとした意識があれば怒る話じゃないんですよ。

私だって結果勘違いしているもんなんてありますよ。
獣医なんてそんなもんでしょ。
ワンとかニャーっていう方々相手に人間と同じ精度を期待するには
ちょっと今の獣医さんの負担大きいじゃない。
なのに、なんでキレてるの?
自分に都合が悪いの?
金もらってやった事を確認されてキレるようなレベルの治療すんなボケ。
命扱ってんねんぞ。
とりあえず、余りに保身保身の馬鹿らしいキレっぷりに

「アンタいいかげんにしろ」

と言ったらなんか色々キレられた揚句に電話切られました。

 

 

最初に言いましたが、動物病院は風評被害のリスクが高いです。
ちょっとあまりに意味が不明だったので
一応保身としての日記です。
まあ、向こうが希望して来たら経緯から全て詳細開示しますんで。
ネットでうちを調べているだろうし、是非ご連絡をー。
大学的なルートからなのか、お歳を召した獣医師会的なルートなのか知らんけどお気軽にー。
なんか、4月から働くフレッシュでナウでヤングな獣医さんもいるかと思いますが、
獣医療を聞かれる時は「自分の胸に手をあてて」「事実を包み隠さず言う」事が
いい獣医の秘訣だと思いますよ。
という金言をここに書いて、

 

全然落ち着きのない血の気の多い日記のお茶を濁そうと思います。

 
さーて、春の予防シーズンです。
病院なんて来ちゃ駄目だろとか思ってて
病院に行くのが大っきらいな私でも言います。

「フィラリア検査の為にワンちゃんを飼ってる人は動物病院に行きましょうね!」

 

よし!
なんか病院っぽい締めだ!
【いんちょ】

2013年4月2日 7:51 PM